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消化器外科・一般外科

当科では、胃がん大腸がん肝・胆道・膵がんなどの消化器悪性疾患のみならず、胆嚢結石症急性虫垂炎ヘルニア、胃・十二指腸潰瘍穿孔などの良性疾患や救急疾患も扱っており(表1参照)、2015年度はスタッフ・レジデント(後期研修医)あわせて17名体制で、日々互いに切磋琢磨しながら診療しています。

過去3年は年間約1,200例の手術を行っており、労をいとわない麻酔科や手術室スタッフの協力のもと、東北でも有数の症例数となっています(表2参照)。また、手術症例の20%超は緊急・臨時手術です。外科専用の手術室を4室揃え、24時間・365日体制で対応しています。うち2室は腹腔鏡手術用の装置が天吊り式で装備され、さらに移動式設備の導入により全室で腹腔鏡手術が可能となっており、より低侵襲の手術を目指しています。

外科手術が必要な患者さんは、直接当科外来に紹介していただきますと、初診日のうちにCTをはじめ術前に必要な検査を行い、多くの症例で入院日や手術日を決めることも可能です。時期にも依りますが、1-3週間以内には手術可能となっており、当科の利点といえます。当然ながら、精査は消化管・肝胆膵内科と密に協力しています。

さらに、全員参加による、前月全手術症例の検討会並びに術後合併症症例の検討会を各々月1回行って、情報を共有し、今後の治療に生かす努力をしています。

当科では手術のみならず、術前・術後化学療法およびがん支持療法を含む緩和ケア並びにターミナルケアも行っており、進行・再発例では化学療法科(東北大腫瘍内科)とも協同して治療に当たっています。また、栄養サポート(NST)、緩和ケアや感染対策(ICT)等のチーム医療、さらにWOC・緩和ケア・がん疼痛管理・化学療法などの認定看護師、理学・作業・嚥下などの療養士によるリハビリにより、年齢や合併症に関わらず周術期管理を行い、患者さんにとってよりやさしい医療を目指しております。

表1:主な対象疾患
胃がん 大腸がん GIST 十二指腸・小腸腫瘍 胃・十二指腸潰瘍穿孔
胃瘻・腸瘻造設 肝がん
(原発性・転移性)
胆嚢・胆管がん 膵がん
及び腫瘍(粘液産生膵腫瘍など)
胆嚢結石症・胆嚢腺筋症
先天性胆道拡張症 胆管・肝内結石症 急性虫垂炎 腸閉塞 腹膜炎など
ヘルニア
(鼡径・大腿・腹壁等)
皮下腫瘤
(アテローマ・脂肪腫等)
リンパ節生検など
※乳がんは乳腺外科参照
うち腹腔鏡下手術:胆嚢、胃(GIST含む)、大腸、虫垂、潰瘍穿孔、鼡径ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニア、良性膵疾患、直腸脱など
表2:手術件数(過去5年) 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
胃切除 147 154 124 (36) 139 (69) 125 (56)
結腸切除 149 176 143 (67) 179 (70) 180 (87)
直腸切除 97 83 89 (33) 72 (34) 90 (39)
肝切除 37 44 29 32 38
膵切除 44 48 42 38 44(3)
乳腺 42 50 51 43 42
小腸切除 37 18 32 32 39(3)
虫垂切除 97 88 120 (67) 101 (88) 103 (102)
胆嚢摘出 228 284 301 (271) 260 (247) 321 (298)
ヘルニア 122 131 133 138 (12) 145 (29)
全手術件数 (全麻件数) 1,127 1,199 1,183 1,201 1,313

( ):腹腔鏡下手術

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胃がん

当科では臨床病期I(cStage I)の早期胃がんには、5-6個の小さい創で行う腹腔鏡下胃手術を導入しており、2014年では約半数の症例で行っております。特に早期がんに対し、消化管・肝胆膵内科にてESD(内視鏡下切除)施行後の病理検索で追加手術が必要とされる場合などは良い適応です。

切除後の再建は、体腔内で行う方法を標準としており、鏡視下で吻合部周囲の状況をモニターで確認できるので、小開腹下での再建と比較し、牽引操作による損傷やねじれなどのリスクが減ります。また、必要に応じて糸針による縫合操作も体腔内で行っています。

2014年5月に改訂された胃がん治療ガイドラインでは、cStage Iの胃がんに関しては腹腔鏡下幽門側胃切除が日常診療の選択肢となり得るとの記載がされるようになりましたが、標準手術は開腹手術です。

鏡視下手術のメリットとして拡大視効果による精細な視覚情報がありますが、反面デメリットとしてポート位置や鉗子による動作制限が発生します。動作制限は手技の定型化によりかなり克服されていますが、上腹部の開腹手術既往がある方や、進行度によっては開腹手術を選択します。また、術前に鏡視下手術のメリットとデメリットを説明させていただいた上で、患者さんの希望により開腹手術を行うことも可能です。最終的な方針は、当科全員参加による術前カンファランス(POC)にて決定されます。

また、当科では高度進行胃がんに対しても、R0(がん遺残なし)の根治切除を目指し、術前(導入)化学療法と手術による集学的治療を積極的に行っており、2014年までに50例以上となり、R0症例では良好な治療成績を得ています。

対象は、予後不良で根治には化学療法を必要となる、スキルス・高度リンパ節転移・周囲臓器浸潤症例、あるいは遠隔転移(大動脈周囲リンパ節、腹膜播種、肝転移など)を伴う非治癒因子を持つ胃がんとしています。大腸がんと異なり、胃切除による栄養状態・体力低下により、術後の化学療法が困難な場合が多く、十分な治療ができず、治療成績が上がらないという背景があります。

TS-1+シスプラチン(腎機能低下・高齢者ではドセタキセルやオキサリプラチン)による1クールが3-5週毎の化学療法を2-3クール以上行い、CT・内視鏡あるいはPET-CTにて主病巣や転移巣の縮小・消失を確認した上で、切除に踏み切っています。近年は、全例HER2検索を行っており、症例に応じてトラスツズマブ(ハーセプチン)を併用する場合もあります。

但し、専門施設では一般的に行われていますが、胃がん治療ガイドラインでは確立したものではないため、メリットとデメリットを十分に説明した後に選択していただいております。また、最近の日本での臨床試験(Regatta試験)にて、姑息的胃切除(特に胃全摘)+術後化学療法治療は、化学療法単独治療に劣るとの報告もあり、胃全摘症例ではより慎重な対応が必要と考えます。

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大腸がん

大腸がんは年々増加傾向にあり、日本では女性のがん死亡率の一位を占めております。大腸がんに対する治療は、粘膜内にとどまるごく早期の状態であれば内視鏡下切除の適応ですが、粘膜下層以深への浸潤が疑われる場合はリンパ節郭清を伴った手術治療が適応となります。

当院では年間約220件の大腸がん手術を行っておりますが、そのうち半数の約100件は腹腔鏡手術です。腹腔鏡手術とは、特殊な内視鏡を使用して行い、従来の開腹手術と比較して、傷が小さく整容性に優れており、傷の痛みが少なく、術後の回復が早いなど、様々なメリットがあると証明されています。がんに対する手術としても、拡大して腹腔内を観察できるため解剖の把握がより詳細にでき、確実なリンパ節郭清や神経温存が可能で、開腹手術と比較して治療成績に遜色がないとの報告がなされてきています。

腹腔鏡手術は技術的に難しい手技であり、熟練した外科医が施行する必要があります。当科では腹腔鏡手術黎明期より大腸がんに対して腹腔鏡手術を導入してきましたが、日本内視鏡外科学会における腹腔鏡手術の技術認定医が3名(2015年現在, 大腸専門も含む)常勤しており、専門的な手術を安全に施行できる体制が整っております。

手術治療の最大の目的はがんを確実に治すことであり、小さな傷で手術することが目的ではありません。そのため、他臓器へ浸潤が疑われるなど高度進行がんや、手術既往があり腹腔内に高度の癒着が予想される方など腹腔鏡手術では安全に施行できない可能性が高いと判断される場合は、開腹手術で安全・確実に施行しております。

また、腸閉塞をきたした大腸がんに対しては、消化管・肝胆膵内科で内視鏡にて金属ステント(EMS)を挿入し、待期的に手術を行うことにより、ストマ(人工肛門)を回避し合併症を軽減することも行っております。

大腸がんは他のがんと比較して治癒しやすいといわれております。そのためには早期発見が重要であり、大腸がん検診を受けられることをお勧めします。二次検診で精査の結果手術が必要と診断された場合は、熟練した技術で安全・確実な手術治療が可能である当科を選択して頂ければ幸いです。

※大腸がん・肝転移については、肝がん参照。

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胆嚢結石症

当科で最も入院数の多い胆嚢結石症については、待機的に治療される場合は必要な検査をすべて外来で行い、手術前日入院→腹腔鏡下手術→術後3日程度で退院とする4-5泊程度での入院治療としています(炎症が高度な場合や他疾患を合併している方は入院期間が延長する場合があります)。

当科の特徴として、急な腹痛で発症した急性胆嚢炎に対しても、症状に応じて緊急の腹腔鏡手術を含めた対応をしています。重症例や上腹部手術既往例などを除き、殆どの症例を腹腔鏡手術(2014年は約250例)で行いますが、癒着により胆管や周囲臓器損傷が危惧される症例では開腹移行するなど、安全性を重視して慎重に判断しています。

また、救急や他施設からの紹介で胆管結石が疑われる場合、まず消化管・肝胆膵内科で胆道精査(ERCP, MRCP, EUS等)を行い、内視鏡下に胆管結石除去後に、腹腔鏡下胆摘を行う症例も多く、緊密な連携をとって対応しています。

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肝胆膵がん

難治がんと言われる肝胆膵悪性腫瘍に対しても、消化管・肝胆膵内科での緻密な術前評価の上で積極的な切除を心がけています。

肝がんには、慢性肝炎などの肝障害を背景に発生する原発性肝がんと、消化器腫瘍の転移による転移性肝がんが含まれますが、肝機能が悪くない場合は切除による根治を目指します。かつて消化器のがんは他臓器への転移を来した場合は治らないと考えられていましたが、特に大腸がんにおいては転移再発を来した場合でも、切除により根治が得られるようになってきました。転移巣の大きさや転移した肝臓の場所や個数によってはいまだ手術が難しいことも多いのですが、術式を工夫してできるだけの切除を目指しています。時には、手術した後の肝臓の体積が十分になるよう、術前門脈塞栓(切除部の血管を詰まらせて残る予定の肝臓を肥大させる)などの手技も用いています。しかし、切除だけでは不十分なことも多い疾患であることから、最近進歩のめざましい化学療法(抗がん剤)を組み合わせて最大の効果が得られるように集学的治療を行っています。

胆道がんには、胆管がん、十二指腸乳頭部(胆汁が十二指腸に流れ込む部位)がん、胆嚢がんなどが含まれます。いずれも肝臓、膵臓といった解剖学的に複雑な構造である領域に発生するがんのため、部位によっては肝臓の6割以上や膵臓を切除する必要が生じ、複雑かつ長時間の手術が必要となります。当院消化管・肝胆膵内科には、これら胆道疾患の診断、内視鏡的治療のスペシャリストが多数おり、それを受けて当科でも胆道がん全体で500例を超える多数の切除経験を有しています。確実な手術手技が最も重要であることは論を待たないのですが、術後には作り直した消化管の変化に応じた生理学的、栄養学的な管理を含めた知識、手技が求められます。

膵がんは難治がんの代表とされますが、遠隔転移や周辺の動脈への浸潤を認めない場合には根治を目指して切除を行っています。膵臓の十二指腸側を切除する術式を膵頭十二指腸切除と言い、消化器高難度手術の代表とされますが、当院では過去5年間に本術式を147例行っており(胆道がんを含む)十分な経験があります。本疾患も切除だけでは治癒の難しい疾患であり、近年ではその有効性が証明された術後補助化学療法や、全国臨床試験に参加しての術前化学療法を行い、治療成績を上げる努力を続けています。また、がん以外にも、膵臓には膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、粘液性囊胞腫瘍(MCN)、神経内分泌腫瘍(P-NET)といった比較的稀な疾患もあり、これらの疾患の切除経験も多数有しています。

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ヘルニア

当院では鼠径ヘルニア(いわゆる脱腸)の手術も積極的に行っています。手術法としては、以前より腰椎麻酔または膨潤(局所)麻酔で鼠径部(足の付け根)に数cmの切開を置く手術を行っていましたが、この手術法に加えて、2014年より全身麻酔下の腹腔鏡手術も行っています。この方法では、腹部に1cm前後の小さな切開を計3か所おいて行いますが、術後の創(きず)の痛みが少ないことや、左右両側のヘルニアがある場合にも創を増やさずに同じ創で同時に治療が可能である等の利点があります。どちらの手術法も、通常手術前日に入院していただき、術後2-3日目に退院していただけます。

また、腹壁瘢痕ヘルニア(腹部手術創に起因するヘルニア)でも、全身麻酔下に腹腔鏡手術を行っています。

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急性虫垂炎

いわゆるアッペといわれる一般的救急疾患ですが、軽症から重症まで幅広く、適切な対応が必要です。軽症の場合、抗生剤投与にて保存的に軽快することも多いのですが、症状や希望に応じて手術を選択します。

2014年は9割近くの症例が、腹腔鏡手術(5-10mmの創が3ヵ所)で完遂しており、術後回復や美容的面からも優れた方法と考えます。もちろん、汎発性腹膜炎や重症例では開腹手術を選択する場合もあります。

また、近年はCTにより膿瘍形成性虫垂炎と診断した場合、緊急手術では回盲部切除などの拡大手術となる可能性や感染等の合併症が多くなることから、抗生剤投与による保存的治療を積極的に取り入れています。軽快退院後に外来で大腸内視鏡やCT検査で悪性疾患の検索を行い、希望に応じて2-3ヶ月後に腹腔鏡下虫垂切除(interval appendectomy)を行い、良好な治療成績を得ています。

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GIST

消化管間葉系腫瘍(粘膜下腫瘍)であるGISTは、比較的まれな疾患ですが、当院では多くの症例を診断・治療をしております。potentially malignancy(悪性の可能性)の疾患にて診断精度が問われますが、当院では消化管・肝胆膵内科での超音波内視鏡下生検(EUS-FNA)の免疫染色により、確定診断されます。

基本は腫瘍径2cm以上が治療対象ですが、最も多い胃GISTの場合、原則 腫瘍径5cm以下では腹腔鏡下胃部分切除を行います。食道胃接合部に近接するような症例等は、切除範囲が大きくならないように、消化管・肝胆膵内科と協力してLECS(腹腔鏡-内視鏡共同手術)にて行うことも可能です。

腫瘍径が10cmを越える場合や他臓器浸潤が疑われる症例(marginal resectable)では、術前にイマチニブ(グリベック)内服を6ヶ月程度行い、腫瘍縮小を図った後に、安全・確実に切除を行う場合もあります。

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胃十二指腸潰瘍穿孔

潰瘍穿孔も当院救急外来に搬送されることの多い疾患です。軽症例では、胃管挿入・持続吸引による保存的治療を行いますが、症状や状態に応じて手術が選択されます。

胃がんなど悪性が疑われる場合を含め、原則 上部消化管内視鏡にて穿孔部位を確認して、手術に臨みます。手技の向上により、2014年では9割の症例で腹腔鏡下の大網充填・被覆、腹腔ドレナージにて完遂しておりますが、重症例や困難例では開腹手術にて確実に行っています。

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化学療法

当院で行われる医師・薬剤師・看護師・医事課及び東北大学腫瘍内科医師(現在は高橋雅信先生)で構成される化学療法委員会でのレジュメ(治療内容)登録を必須として、認定された治療のみを行う体制となっています。また、新薬や新規治療に対しても、急を要する場合は迅速審査で対応し可能です。

治療は原則当科主治医が行いますが、日本臨床腫瘍学会のがん薬物療法専門医である東北大学腫瘍内科医による週二回(火・木曜)の化学療法科外来に治療の相談・依頼することも多く(特に大腸がん)、選択は自由です。もちろん入院治療が必要な場合は当科主治医が対応します。

外来治療室(化学療法)及び病棟では、化学療法認定看護師を中心に、厳しい試験と実地訓練に合格したIVナースが点滴の確保を行う、当院独自の認定システムのもと、トラブルなく安全に治療を行っています。

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周術期管理

当院では、東北における先がけで栄養サポートチーム(NST)が立ち上がっており、以前より積極的に経腸栄養を導入してきました。チームによる病棟ラウンド、4名の臨床栄養士によるこまめな食事指導、免疫力向上や抗炎症作用を有するシスチン・テアニン(アミノ酸)及び各種補助食品・栄養剤の提供などのこまやかな栄養管理により、周術期管理を行っております。

また、高齢者の手術も多い当科では、術後血栓予防に力を入れており、全身麻酔全例に術中-術翌日まで間欠的空気圧迫法(フットポンプ)あるいは弾性ストッキングを使用, 悪性疾患には術後に凝固阻害薬(Fondaparinux)の投与を行っております。また、臨床検査技師の協力のもと、血栓マーカー(D-dimer)測定と下肢エコー検査による深部静脈血栓(DVT)の早期発見に努め、肺梗塞などの致死的血栓症を未然に防ぐ努力を続けています。

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